日本人の花粉症は春のスギやヒノキ花粉が有名ですが、花粉は1年を通して飛来しています。5月くらいの時期になると、どうも鼻水やくしゃみ、喘息などのアレルギー症状が出て調子が悪い、こんな人は風邪ではなくてイネ花粉症かもしれません。
5~6月からの時期はイネ花粉の季節です。梅雨の晴れ間や曇りの日は、雨で地面にたまった花粉が一気に舞いますので注意が必要です。
そこで、5月からの花粉を飛ばす草木や症状、対策などを解説していきます。
イネ花粉の飛散時期と原因
花粉症とよく言われますが、いったいどんな病気なのでしょうか?
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれていて、アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。
季節性アレルギー性鼻炎
花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。日本では約60種類の植物が花粉症を引き起こすと言われています。主なアレルゲンは、スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカンバなどです。
症状としては、くしゃみ、鼻水だけでなく、目の症状(かゆみ、涙、充血など)を伴う場合が多く、その他にのどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
通年性アレルギー性鼻炎
主なアレルゲンはダニ、チリ、昆虫、ペットの毛、フケなどです。
症状は喘息、アトピー性皮膚炎を合併することがあります。最近、通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人も増えており、ほぼ一年中くしゃみ・鼻水・鼻づまりや目のかゆみ・異物感に悩まされるという人も少なくありません。
イネ科の植物の花粉はスギやヒノキの花粉が落ち着いた5月から飛び始めます。イネ科の植物は、イネの他に、カモガヤ・ムギ・ハルガヤ・ススキなどがあります。イネは基本的に背が低いので飛散する距離は、それほど遠くありません。
自分の生活する範囲の近くに田んぼや川などがある人は、イネ花粉に注意が必要です。
イネ花粉の症状
イネは初夏にたくさん花を咲かせ、花粉が飛び、花粉症の症状が出てきてしまいます。
基本的な症状は通常の花粉症と同様で、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、目のかゆみ、喘息などがあげられます。そして、イネ科のアレルギーは重症化する傾向があり、呼吸困難やじんましんが出るなどのアナフィラキシーを起こす危険があります。
特に小麦アレルギーの場合は要注意です!
小麦アレルギーの方が小麦を含まれているものを食べてから運動を行うと激しい咳や嘔吐、喘息などが起こる可能性があります。
イネ科花粉の予防
スギやヒノキの花粉の時期が過ぎてから花粉症の症状が出た場合、血液検査をし、イネ科花粉症と確認する必要があります。イネ科花粉症の予防と治療は、基本的には花粉症対策と同じです。
・外出時にはマスクや眼鏡をする。花粉症用の目薬も効果的です。
・イネ科花粉が入ってくるので、窓を閉めておく
・花粉は衣服について家に入ってくるので、十分に換気する
・堤防・水田などではジョギングなど激しいスポーツは避ける
イネ科花粉の対策法
樹木花粉と違い、草の花粉はあまり遠くまでは飛びませんので、予防がしやすいと言えます。イネ科が多く茂っていそうな水田、堤防に近づかないことが大事です。
■花粉用の眼鏡が有効
外出時にはできるだけ花粉を取り込まないようにマスクをし、帽子をかぶりましょう。洋服もつるっとしたものを選び、ニットなどは避けたほうがいいでしょう。
■コンタクトレンズはなるべく避ける
コンタクトレンズは花粉がついたり、結膜炎をおこしたりするので控えたほうがいいでしょう。眼科医と相談してください。
■花粉を家にいれないようにする
家に入るときは服をしっかり払ってからはいりましょう。洗濯物や布団は取り込む前によく払い、室内はこまめに掃除をしましょう。花粉を家に入れないことが一番重要なことです。
まとめ
イネ科の花粉症はやっかいな症状がありますので、もう一度復習しておきます。
飛散時期は5~7月で、水田や堤防のそばに多く繁殖しています。症状はくしゃみ、鼻づまり、鼻水、目のかゆみ、充血などで、小麦の摂取でアナフィラキシーが起こることがあるので十分な注意が必要です。
対策は花粉用の眼鏡やマスクをし、家に花粉を入れないことが大切です。春から初夏は緑が美しいですが、散歩などは午前中にしましょう。水田、堤防に近づかないことが大切です。