赤ちゃんの誕生は家族にとって、とりわけママにとっては本当に喜ばしいもの。寝顔を見ているだけであまりの可愛さについつい顔もほころんでしまいますよね。
でも、そうばかりは言っていられないのが育児です。出産後間もなくは授乳、寝かしつけ、お風呂、おむつ替えと、24時間体制での赤ちゃんのお世話が待っています。その合間に掃除や洗濯、食事の用意もやらなければならないとなると…一体いつ休めばいいのかわからない!と疲労困憊でまいってしまうママも多いはず。
身体の疲れは、ほんの数時間でも夫に赤ちゃんを預けてしっかり休めば、ある程度回復することと思いますが、十分休んだつもりでも気分が晴れない、イライラが続く、悲しい気持ちになるなどといった場合は、「産後うつ」の可能性があります。
今回は産後うつの原因や症状、対処法などについて説明したいと思います。
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産後うつの原因とは
初めての育児には不安やプレッシャーがつきものです。実際戸惑うことが多く、泣き止まない赤ちゃんを抱え途方にくれたり、自分のお世話の仕方が正しいのかわからなくなったりすることもしばしば起こります。それら一つ一つが精神的ストレスとなってママの体と心を襲うのが産後うつで、いわゆるうつ病の一種に数えられています。
加えて、産後の身体は妊娠前の状態に戻るために血中の女性ホルモンや甲状腺ホルモンの量が変動します。これも心身を不安定にする要因だと考えられています。
産後うつが発症しやすいタイプの人
・責任感が強く、家事や育児を完璧にこなしたいと思う人
・育児に関し夫や両親の協力が得られず、孤独になりがちな人
・真面目で頑張り屋、人の目を気にしやすい人
などがあげられます。
また、最近では夫も産後うつになるという報告も少なからずあるようです。
産後うつの期間はどのくらいまで続く?
産後うつは、産後2~3週間頃に発症する人が多いと言われていますが、3~4か月後に症状が出始める人もおり、発症時期にはかなり個人差があるようです。
また、1~2か月ほどで症状が治まる人もいれば、1年以上かかる人もいます。適切な治療と周囲のサポートは、早期改善には欠かせません。
産後うつの症状をセルフチェック
産後うつの主な症状として、前述した気分の落ち込みやイライラの他に自信喪失、感情表現が乏しい、判断力の低下などがあげられます。
とはいえ、イライラしたり判断を誤ったりすることは誰にでもあることです。うつは通常の感情の揺れとは一線を画した精神状態ですので、もしもご自分が「産後うつかもしれない」と思われる場合は、一度下記の項目でチェックしてみてください。
□いつもイライラしている
□気分が落ち込み、よく泣いてしまう
□物事に集中できず、家事やいつものようにできない
□以前は好きだったことに興味が持てない
□食欲がない、あるいは過食気味である
□すぐに自分を責めてしまう
□おしゃれをする気が起きない
□子供を産まなければよかったと思うことがある
□自分ばかり大変な思いをしていると感じる
□頭痛や吐き気が続いている
□下痢や便秘を起こしている
□よく眠れない
□すぐに胃が痛くなる
□体がだるく、何をするのも億劫である
□子供への愛情を感じない
以上の項目のうち、5項目以上当てはまると産後うつの可能性が高いといえます。心療内科や精神科を受診することも視野に入れた方がよさそうです。10項目以上当てはまった場合、重度の産後うつの恐れがあります。早急に受診されることをおすすめします。
産後うつの治療法、薬、病院は何科で診療する?
うつ病の一つとして数えられている産後うつ。「気持ちの問題だから、そのうち自分で何とかできるだろう」などと思わずに、まずはれっきとした病気であると認識しましょう。病気ですので、きちんと受診し、治療を受けることが大切です。
まずは赤ちゃんの一か月健診や三か月健診で相談してみるのもよい方法です。それらを経て、心療内科でカウンセリングや薬物療法を受けるのもいいでしょう。いづれにしても、信頼できる医師やカウンセラーを頼りましょう。
まとめ
真面目で責任感が強い人ほどかかりやすい産後うつ。赤ちゃんをしっかり育てようと思う気持ちと、ままならない現実との狭間で悩んだり、周囲の協力が得られず孤独に苛まれたり…加えて積み重なる疲労やホルモンバランスの乱れなど、産後のママには数々の試練がのしかかります。
でも、初めての育児で赤ちゃんのお世話がうまくいかないのは当たり前ですし、育児のせいで家事が滞るのは仕方ないことです。思いつめることなく、むしろ頑張っている自分を褒めてあげる気持ちを持つことが大切なのではないでしょうか。