おいしく魚料理を食べている時、不意に骨が喉に刺さったり、詰まったら、驚きと痛みでどうしていいか分からなくなることがありませんか?特に小さな子供の場合、痛みに耐えきれず泣き出すこともあり、早く何とかしてあげたいと焦ってしまいますよね。
そんな時、昔から言われているやり方で何とか骨を取り除こうとする方もいらっしゃると思います。でも、ちょっと待ってください!その方法は本当に有効なのでしょうか?
今回は、魚の骨が喉に刺さった時の正しい取り除き方、対処法について解説していきたいと思います。もしもの時に慌てないために、ぜひ正しい知識を身に着けておきましょう。
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民間療法では魚の骨は取れない?
皆さんの中には、魚の骨が喉に刺さったら、ご飯やお餅を噛まずに飲み込むとか、お酢を飲むとよいとか、おばあちゃんの知恵的な民間療法を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
最近は、こんにゃくゼリーを丸呑みすると取れるなどという方法も耳にしますが、これもご飯やお餅同様、食べ物で刺さった骨を押し取るということだと思われます。
実際、これらの方法で骨が取れたという方もいらっしゃることでしょう。ですので、一見この民間療法は正しいのかと思われますよね。でも、はっきり言ってそれは幸運な偶然である可能性が高いのです。
喉に骨が刺さっても、それが小さな骨だったり、刺さり方がごく浅かったりした場合は、自然に取れたり、他の食べ物や飲み物を飲み込む時に一緒に取れてしまうこともあるでしょう。
でも、大きな骨が刺さっていたり、深く刺さってしまったりしていた場合、そこへさらに食べ物を詰め込むことによってより深く刺さってしまうことも考えられます。 また、お餅やこんにゃくゼリーを丸呑みすることは窒息にもつながります。高齢者や幼児にとっては大変危険な行為です。
正しい魚の骨の安全な取り方
では、喉に刺さった魚の骨を安全に取り除くにはどうすればよいのでしょうか。ここではその手順をご紹介していきたいと思います。
慌てず、口の中のものを出す
魚の骨が喉に刺さると、早く何とかしようと焦り、慌ててしまうものです。でも、まずは落ち着きましょう。そして、口の中のものを全部出して、ゆっくりうがいして様子を見てみましょう。
無理やり飲み込もうとしたり、他のものを口にしようとしたりしては、さらに深く刺さってしまうので、「まずは全て吐き出す」を鉄則にしましょう。
ピンセットで骨を抜き取る
うがいをして様子を見ても痛みが続く場合は、鏡とライトを使って喉の奥を見てみましょう。もし見える位置に骨が確認できれば、清潔なピンセットで慎重に抜き取りましょう。自分で抜きにくい時は家族など他の人に見てもらい、抜いてもらった方が安全です。骨が見えないからと言って、手探りで抜こうとするのは大変危険ですのでやめましょう。
抜いた後はイソジンなどの消毒薬でうがいをし、しばらくは食事を控えてください。
今食べたものを吐き出す
骨は、食べ物を飲み込む流れに沿って刺さっていることがほとんどです。そのため、そこへさらに食べ物を詰め込むと、釘を金づちで打つ要領で余計に深く刺さってしまう場合があるのです。逆を言えば、口から食べ物を吐き出すことで、それが釘抜きの役割をし、骨が抜けることがあります。
石鹸水を指につけて喉を押すと、食べたばかりのものを吐き出すことができます。どうしても骨が取れない、痛みが続く場合は試してみましょう。
耳鼻咽喉科を受診する
自宅でいろいろ試みたけれどどうしても取れない、取れたけど出血や痛みが続いているという場合は、ためらわず耳鼻咽喉科へ行きましょう。一番確実で安全な方法です。
骨が刺さっているのであれば、安全に取り除いてくれますし、骨はすでに取れていて、傷の痛みが続いているだけであることを確認できるだけでも安心できるでしょう。
まとめ
魚の骨が喉に刺さった…不測の事態に本人も周りの人も慌ててしまうに違いありません。でも、まずは冷静になることが何よりも大切です。そして、紹介したような方法で上手に骨を取り除きましょう。
小さいお子さんには、前もって大人が骨を取り除いてあげたり、骨に気を付けて食べることを普段から教えてあげたりすることも大切でしょう。しばらくたっても喉の違和感や痛みがなくならない時は、耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。