なんだか痒いなー、蚊にでも刺されたかな?と思って放っておいて、2.3日してもかゆみや痛みが治らない!それは蚊に刺されたのではなく、ダニに噛まれたのかもしれません。
ダニに噛まれた時は、できるだけ早く治療をするのが効果的です。放置するとかゆみがひどくなり、無意識に掻き毟ってしまうと治るのが遅くなってしまいます。さらに感染症を起こしてしまう可能性もありますので、注意が必要です。
今回はかゆみの原因がダニに噛まれた場合の皮膚症状・治療法・予防対策などについてお知らせしていきたく思います。いつもの虫刺されと違うかも!?という時にお役に立てればと思います。
Contents
ダニに噛まれた時の症状
イエダニ・ツメダニに噛まれた時
ダニはいくつかの種類に分類されますが、屋内で噛まれた時は、イエダニかツメダニによるものがほとんどです。
イエダニ
イエダニは主にネズミに寄生する吸血性のダニで、吸血後の体長が約1.0mm程度なるときもあり、肉眼でも確認できます。大体はネズミの体や巣に生息しているのですが、宿主のネズミが死んだりした時に移動して、人からも吸血します。割れ目や暗いところに生息して、夜間に吸血を行います。
ツメダニ
ツメダニはイエダニより体長は小さく、他のダニを餌にし、温度が高く、湿度の高い場所を好みますので、畳やカーペット、布団に生息しています。
吸血はしませんが、間違って人を刺し体液を吸うことがあります。
活動時期は、イエダニが6月頃から9月頃、ツメダニが4月頃から10月頃ですので、この時期にかゆみが長く続いた時は、イエダニかツメダニに噛まれたのかもしれません。
屋内にいるダニは、洋服に隠れているようなお腹や二の腕などの体の柔らかいところを好んで噛むことが多いです。
どちらも噛まれた直後は症状もあまりなく刺されてことに気づきませんが、1~2日後に赤く腫れて強いかゆみの症状が出てきます。数日から10日程、腫れとかゆみが続き、強く掻き毟るのが原因で細菌の二次感染を引き起こすこともあります。
マダニに噛まれた時の対処法
屋外で噛まれた時は、マダニの可能性が高いです。
マダニは野山の植物の葉の先で生息し、動物に寄生する吸血性のダニです。同じダニとは呼ばれていますが、実はイエダニ・ツメダニなどのダニとは違う生物で、イエダニなどよりも大きく通常時でも3mm程度ありますが、吸血後は1㎝を超えるほどになります。
屋内にいるダニとは違い、露出した部分である足元や首などを噛むことが多いです。人間の放つ二酸化炭素を感知して、飛びついて吸血します。
噛まれてもかゆみはあまりなく、刺されたことに気づきにくいですが、マダニは一度噛むと7日間ほどかけて血を吸いますので、大きくなったマダニを見て、噛まれたことに気づくことが多いです。そのときマダニを無理に引っ張ると、マダニの体がちぎれ、口の部分だけが体に残ってしまうこともありますので、絶対に無理に引っ張ったり、潰したりしないでください。
ダニに噛まれたときの治療法・予防策
屋内でダニに噛まれた時の処置
屋内でダニに噛まれ、激しいかゆみがあるときは、掻き毟らないように気を付けましょう。かきむしって傷になるとそこから細菌の二次感染が起きることもありますので、かゆみ止めの薬を塗ることをお勧めします。
小さなお子様ですと、我慢できずに掻き毟ってしまうこともありますので、薬を塗った後に患部をガーゼや包帯などでしっかり覆ってあげましょう。体が熱くなるとかゆみがひどくなりますので、患部を保冷剤などで冷やすのもかゆみをやわらげるのに効果的です。
イエダニはネズミとセットの可能性があるので、ネズミがいる場合はすぐに駆除しましょう。ネズミがいる場所には、イエダニが発生しますし、ネズミがいなくなればイエダニもいなくなります。
ツメダニは湿気を好みますので、カーペットや布団など湿気のこもりやすいものはよく乾燥させましょう。シーツなどを防カビ機能がついているものに変えることをお勧めいたします。
屋外でダニに噛まれた時の対処法
屋外でマダニに噛まれた時や噛まれたかもしれないという時は、すぐに病院に行きましょう。
膨らんだマダニに気づいて、自分で引っ張って取ろうとするのは、絶対にやめてください。なぜなら、マダニの一部が体に残ってしまったり、体液が入ってしまうと危険だからです。自分でとってしまった場合でも、とったマダニを持って病院に行きましょう。
マダニの中には重病熱性血小板減少症候群(SFTS)を引き起こしてしまうマダニがいます。
この重病熱性血小板減少症候群(SFTS)は、高熱・下痢・嘔吐・血尿・食欲不振などの症状が起きる病気で、有効な治療法はなく、高齢者では死亡者が出ていると報告されています。その他にも全身状態が悪くなるツツガムシ病、皮膚異常や熱発、顔面神経麻痺などを引き起こすライム病のウイルスを持っているマダニもいます。
自分できれいにとったつもりでも、中に残っているかもしれませんし、取ってしまったマダニにウイルスがないか調べてもらえますので、必ず受診したほうがよいです。
ダニに噛まれないための予防策
4月頃から10月頃までの屋外活動において、マダニに噛まれることが多いので、この時期に山や公園などへ行く場合は、多少暑くても、長袖や長ズボンを着用し、首はタオルで隠したり、サンダルではなくスニーカーを履いて肌の露出を少なくしましょう。この際、ズボンの裾はマダニの侵入を防ぐため、スニーカーの中にいれるとさらによいでしょう。
草むらに入るときは軍手などをつけるなどをして、肌が露出している部分には忘れずに虫よけスプレーを使用しましょう。マダニは吸血が終わると自然に落ち、次の宿主が通るのを潜んで待っていますので、動物の通り道などを通るときは注意が必要です。
帰宅後、マダニは服についていることもありますので、家への侵入を防ぐ為にも、家に入る前によくはたき、脱いだ衣服はすぐに洗濯することをお勧めします。
ペットに寄生する危険性も?
まれではありますが、ダニがペットへ寄生する場合もあります。
ペット用のダニ忌避剤の使用と共に、散歩から帰ってきた後などは目でよく確認してあげましょう。ペットが刺されたことに気づいたら、動物病院に連れて行ってしっかり除去してもらいましょう。
ダニに噛まれた時は病院の何科で受診する?
ダニに噛まれたり、刺されたりして皮膚の腫れや痛みが治らない場合には病院の皮膚科で適切な処置を受けましょう。
大概の場合は自己治癒で回復されると思いますが、まれに薬の間違いや自身のアレルギー反応で症状が悪化する可能性があります。
まとめ
ダニの種類は数えきれないほどありますが、屋内で噛まれたのか、屋外で噛まれたのか、かゆみはひどいか等で対処することができます。
屋内で噛まれた時は、症状に合わせ自分で処置して様子を見てもよいと思います。市販のかゆみ止め軟膏などを使っても、かゆみが耐えられない場合やかゆみが続く場合は、医療機関に相談しましょう。刺されなくても家の中にいるダニは死がいやフンがアレルギーの原因になってしまったりするので、換気と掃除が大切です。
屋外で噛まれた時は、マダニの可能性があると考え一刻も早く医療機関を受診しましょう。死亡者を出す原因となるマダニもいますので、まずは噛まれないように山・川・公園などの屋外活動の時はしっかりと予防することが大切です。