夏になると必ずといっていいほど、蚊に刺されてかゆい思いをします。とくにやぶ蚊は、感染症のウイルスを媒介する厄介な吸血昆虫です。
日本の代々木公園で、一時的に発生したデング熱を媒介したのはやぶ蚊の一種です。また、蚊に刺されるとかゆいだけでなく、大きく腫れたり、掻いて膿んでしまったり、跡が残ったりと、厄介なものです。
ここでは、やぶ蚊に刺されたときの対処法や、予防対策などについてご紹介します。
やぶ蚊の種類とブヨとの違い
日本の蚊には主に3種類あります。アカエイカ、チカイエカ、ヒトスジシマカです。
やぶ蚊と呼ばれるもの代表的なものに「ヒトスジシマカ」がいます。見た目は、黒と白のシマシマ模様です。
このヒトスジシマカは主に昼間に活動し、少しの水分でも羽化できるため、ちょっとした竹やぶや畑、公園などによく見られます。そして、刺されると非常にかゆいのが特徴です。
やぶ蚊には「オオクロヤブカ」という日本で一番大きな黒い蚊もいます。また、「ヤマトヤブカ」などシマカに似た種類もいます。
やぶ蚊と同じような見た目の吸血昆虫に、ブヨがいます。やぶ蚊とブヨの違いは、ブヨはブヨ科、やぶ蚊は蚊科に属し、刺され方や症状も違います。
ブヨはただ刺すのではなく皮膚に噛みつきます。
ですから、痛みと出血が伴い、刺されたあとに噛み跡が残ります。蚊の毒より強力で、激しいかゆみから痛みに変わります。
また、蚊は刺されても自然に治癒しますが、ブヨは化膿したり、頭痛や発熱を伴ったりと厄介です。ブヨに刺された場合は皮膚科の受診をおすすめします。
参考:ブヨに刺された皮膚症状と対処法!腫れや痒みを薬治療と病院は何科?
やぶ蚊に刺された時の皮膚の症状
主だった3種類いる蚊の中でもやぶ蚊に刺されると、かゆみが強く大きく腫れ、刺されたところが赤くなり硬くなります。刺されたところを掻くと更に、悪化します。
蚊は刺すときに、唾液を人間の皮膚に注入します。その唾液にアレルギーを起こすために、腫れてかゆくなります。蚊が皮膚に止まっているときに、叩くと唾液が皮膚に入ってしまうので、弾き飛ばすように叩くのがおすすめです。
やぶ蚊に刺されると他の蚊に刺されるより皮膚が腫れますが、特に小さな子供やあかちゃんが刺されるとアレルギー反応が強く出るため、大人より大きく腫れ、驚くことがあります。
やぶ蚊に刺された時の薬と治療法
やぶ蚊は市販の外用薬でかゆみや炎症を抑えることができます。ムヒやキンカン、ウナコーワが有名どころです。
冷やすとかゆみがひきますので、保冷剤をハンカチなどでくるみ刺されたところが冷やすとよいでしょう。
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稀にアレルギー反応が強く出て大きく腫れたり、炎症がひどい場合は皮膚科を受診するのがよいでしょう。皮膚科では副腎皮質ホルモン(ステロイド)や、抗ヒスタミン薬などの外用薬が処方されます。
また、ちいさな子供が刺されたところを掻いてしまうと「とびひ」なったり、膿んだりすることがあります。その場合も皮膚科を受診します。
やぶ蚊に刺されないための予防対策
殺虫剤や蚊よけのスプレーなどを利用して刺されないようにする、または肌を露出しないようにして予防する方法が有効です。
ハーブなどの香りも虫よけになりますが、効果は薄いものです。
家ではやぶ蚊を発生させないために、家の周辺の水たまりを徹底的に除去します。
ほんの少しの水でもやぶ蚊は羽化しますので、植木鉢の受け皿にも水が溜まると蚊が発生します。落ち葉などに溜まった水でも羽化できますから、雨のあと家の周辺を見回ると予防対策になります。
まとめ
やぶ蚊はわずかな水分でも羽化するためどこでもいる蚊です。また昼間に活動する蚊なので、普段からよく出くわす蚊もあります。
やぶ蚊に刺されても、重症になることはほぼありません。しかし、地域によっては、デング熱やジカ熱の感染症を媒介する蚊でもあります。
各地域を行きかう人々により、日本にもいつ感染症が入ってくるか予測できません。感染症が流行っている地域では刺されないよう十分に予防しましょう。