「うつ病患者」になって苦しんでいる方との接し方で、どのように接すれば良いのかと悩まれている方は本当に多いです。当の本人が1番苦しんでいるのでしょうが、難しいですよね。
ストレスが蔓延している現代社会「うつ病」は、もう当たり前の疾病になりましたが、人からの評価は未だに冷たいです。家族や子供、友達や会社の部下がうつ病になる可能性はすぐそこにあるのです。
今回は「うつ病」を理解し、その「うつ病との接し方」をまとめてみました。
Contents
「うつ病」とは?
年代・性別を問わず誰にでも陥る可能性のある病気です。真面目で責任感の強い人、完全主義で人間関係にも配慮が出来る、そんな人がなりやすい病気です。
ストレスが溜まり、だんだんと意欲の減退などの症状が出てくる。すると「自分はダメな人間だ」「弱い人間だ」と更に自分を追い込んでしまう、こういった悪循環がうつを進行させてしまうのです。
症状はふさぎ込んで元気がない・意欲がない・好きな事にも興味を示さない・不眠など様々です。特に入浴を面倒がったりするのは簡単に見極められる顕著な初期症状の1つですね。
参考:新型うつ病(非定型)の原因と症状!なりやすい性格や特徴と対処法
うつ病患者との正しい接し方
休息をうながしてあげる
安静・休養をさせてあげて下さい。何も気にせずゆっくり1日を過ごし、疲れ切った脳の中を空っぽにしてあげるよう心掛けましょう。
「ゆっくり」する事に慣れていないので、「怠け」と感じ、余計にストレスを感じてしまうかも知れません。「そうではないんだよ」という心遣いが大切ですね。
話をよく聞いてあげる
ご本人の喋りたい事、つぶやきたい事によく耳を傾けるだけでいいのです。そして共感してあげましょう。
答えは要求せず、話すだけで心が軽くなるのです。そのことをよく理解し、答えを出すようなことは控えましょう。
専門医療機関への受診を進める
病院へ行く事を勧めましょう。特に初診の時は一緒について行ってあげましょう。どんな病気でも早期の対応が大切です。最近ではメンタルクリニックや心療内科など多くなり抵抗感も少なく受診できます。
それでも付き添いで注意しなくてはいけないのは、「心の病」を持った他の患者さんを見ると、もしかしたらあなた自身がカルチャーショックを受けるかもしれません。それだけはちょっと心にとめておいた方がいいかもしれませんね。
専門医師との信頼関係を築く
医師をまず信頼する事です。勿論ご本人が一番大切ですが、初めは受診に拒否的だったり、心を開かないかもしれません。そんな時に医師と連携できていれば診察もスムーズに運び、意志の疎通も図り易くなるでしょう。
しかし診察の邪魔をしてはいけません。あくまでも「付き添い」である事を念頭に置いて下さい。それでもご本人がどうしても信頼できない、合わないと言うのなら、ご本人の意志を尊重しセカンドオピニオンする事もよいでしょう。
また、ドクターショッピングにならないようによく見極めて下さい。一朝一夕で治る病気ではありませんので、医師とは長いお付き合いになる事を忘れないで下さいね。
薬を飲んだのかを確認すること
薬を飲んだり飲まなかったり、または拒否したりすると改善の道を遠ざけます。
「良くなった」「薬づけは嫌だ」または、薬を服む気力さえ失せているかもしれません。服み忘れ・服み残しがないかサポートしてあげましょう。薬で劇的によくなる場合もありますが、そこで止めたりせず医師が処方した通りに服薬しましょう。薬とも長いお付き合いになりますが効果は出てくるはずです。
うつ病患者との間違った接し方
励まし・説得してはいけない
「頑張って」などの言葉が禁句なのは意外と知られていますね。頑張りすぎた人に「頑張ろう」はつらい一言です。
また「~しよう・した方がいいよ」なども「迷惑をかけているのだろうか」とご本人を疑心暗鬼にさせてしまいます。何でもない一言がご本人の負担になり兼ねないので注意が必要です。
大きな決断・解決を迫ってはいけない
問題の解決などは後から考えましょう。1日の行動を考えるのでさえ苦痛なのです。そんな中どんな事であろうと決断や解決を迫られたらパニック状態になってしまいます。
心の中ではいつも先の事を考えながらも答えは出ていない状態です。その事を理解してあげて重要な事柄はご本人が口に出すまでは知らぬふり後回しにしてあげて下さい。
病気に対しての理由の追及・理解しているふりをしない
うつ病になった原因を探るのはやめましょう。どうしてうつ病になってしまったのか、それは回復してもらうためにも知りたい事ですよね。しかしそれはご本人も同じ事。「どうして自分が…」と寝ても覚めても自問自答しているのです。「そんな事分からない」と言う気力さえない、逆に「きっと自分が弱いからだ」と自責の念に駆られ兼ねません。
「理解しているふり」というのは少しきつい言い方かもしれませんがこれを感じてしまうと、近くにいられることもプレッシャーになってしまいます。何故なら心配や迷惑をかけてはいけないと「治ったふり」を演じなくてはいけないと思ってしまうのです。
特別な何かを勧めてはいけない
大きなストレスに繋がります。気晴らしは健康な体には必要ですが、繰り返しになりますがこの病は何しろ疲れ切っているのです。脳を動かす事も体を動かす事もしんどくてしょうがない。そんな時「気晴らしに散歩でもしようか」などと言われても、逆効果になるだけです。
しかし言われれば「行かないと悪いかな」と思ってしまうのがうつ病の1つの特徴でもあるのです。この繰り返しがどんどんストレスになってしまいます。特別な何かはしなくてよいのです。毎日の生活を淡々と普通に過ごしましょう。
まとめ
うつ病にはたくさんの種類・分類があり、その数だけ接し方もあると言っても過言ではありません。うつ病の見極めと、接し方の判断が非常に大切になってくるのです。とにかく、ご本人のしたいようにさせてあげましょう。話したくなれば自ずと行動するはずです。
また放置しておいて治る病気ではありません。治りかけた時に気を抜いてしまうと、再度ぶり返した時には最悪の結果を招きかねない病です。一進一退を繰り返す病ですから、疲れてしまう時もあるでしょう。忘れてはいけない事は、自分自身も巻き込まれてしまわない様に少し距離をおく事です。
焦りや緊張は、相手にも伝わります。肩の力を抜いて、上手に接してあげて下さいね。