乳癌は稀に男性にも発症しますが、そのほとんどは女性に多い癌です。そして日本人の女性に一番多い癌が乳癌なのです。ですから決して珍しい癌ではありません。
特に40~60代の女性が発症しやすく、30代でも近年増加傾向にあり、若年性乳癌は進行がはやいのが特徴です。早期発見・早期治療が治癒の鍵となるので、日頃から気にかけていることが大切です。ここでは初期症状と末期症状について紹介します。
Contents
乳癌とは?
乳癌は、乳腺が癌になります。原因のひとつに、「エストロゲン」というホルモンが関係しており、エストロゲンの分泌量が多いと乳癌になりやすい傾向があります。
出産経験がない、初潮が早い、閉経が遅い、出産経験がない、授乳をしていないなどが原因で、エストロゲンにさらされている時間が多くなると乳癌になりやすいのです。
乳癌はリンパ節や臓器に転移してから見つかることもあり、転移しやすい癌です。しかし、癌ができた場所や種類、性質によっては転移しにくい癌もあり、様々です。
乳癌の初期症状の種類
乳癌は初期症状が出ないことが殆どです。症状が出るころには、ある程度進行しています。ですから、何か異変を見つけた際は早急に医療機関を受診し診断をつけてもらいましょう。
しこり
しこりが出て触れる頃には、腫瘍が大きくなってきており痛みも出てきます。乳がんのしこりの特徴は様々です。
触った感じがデコボコしていて形が整っていない、はっきりした形がなくブヨブヨしているという特徴があります。大きさも、小さいものから大きいものまで進行具合によって違うでしょう。初期の小さいしこりは、エコーやマンモグラフィーによって見つけることができます。
しこりは乳癌だけでなく、乳腺炎でも痛みが出、しこりができます。またリンパ節が腫れても、しこりになります。
場所
乳癌が乳房の皮膚近くにあると、皮膚に異常が出ます。へこんだり、ひきつれが出てきます。また、むくみが出てオレンジの肌のように“ぼこぼこ”となります。
乳頭の癌では、しこりはなく乳輪部分がへこみ、湿疹やただれが現われるのが特徴です。他にも乳頭から分泌物がでて、血が混じっていることもあります。
チクチクする痛み
乳癌は乳房にチクチクする痛みがでることがあります。しかし、乳房全体に強い痛みはあまり出ず、しこりのある一部分に痛みを感じる特徴があります。痛みを感じない場合は発見が遅れます。
乳がんの末期症状
末期症状とは、他の臓器や骨に転移していることを言います。こうなると進行がんと言えるでしょう。転移すると、転移した先でも症状がでます。
乳癌は骨に転移しやすくその他では、リンパ節、肺、肝臓、脳などに遠隔転移します。様々な場所に転移してしまうと、手術では対応できなくなり薬物による痛みを緩和するケアが主な治療となります。
骨に転移した場合
初期の症状が出にくく気が付くのが遅れますが、進行すると骨を溶かしていくために、骨折しやすくなり痛みが出てきます。また、血液中のカルシウムが溶けだしておこる高カルシウム血症になり、喉が渇く、尿の量が増えるといった症状も出てきます。
肺に転移した場合
初期の段階ではあまり症状がでません。しかし進行すると、咳がとまらない、息が苦しい、痰に血が混じる、息切れ、痛みが出てきます。咳や息苦しさは早期の治療が必要です。
脳に転移した場合
転移して比較的早い時期から、頭痛、吐き気、めまい、麻痺などの症状でます。しかし、稀に大きくなるまで症状が出ない場合もあります。脳のどこに腫瘍ができるかで症状の現われ方が違います。
肝臓に転移した場合
初期では目立った症状がほとんどありません。癌が進行すると黄疸がでる、腹部に水が溜まるなどの症状がでます。それまで気が付きにくいといった特徴があります。
まとめ
このように、乳癌は初期症状がないことが多く初期の段階では、自分ではなかなか気づけないものですが、日本人の女性に非常に多い癌でもあります。自治体で行っている乳癌検診は40歳以上が対象となりますので、40歳を過ぎたら積極的に受診しましょう。
30代でも、自費になりますが定期的に乳癌検診を受診することをおすすめします。乳癌は早期発見すれば高い確率で治癒します。女性なら、誰でも乳癌になるかもしれないと常に心がけて、早期発見につながるようにしましょう。