ブヨとは体長約3mm~5mmで体は黒く丸まったような形をして、透明な羽を持つ虫です。地域によってはブユ・ブト・ヤムラ虫などと呼ばれることもあります。
一度ブヨに噛まれると、その激しい痛みと腫れやかゆみは、二度と忘れることができないほどでしょう。ブヨに噛まれた時の腫れた症状は、虫刺されの部類でもかなり強いと言われています。
ここでは、そんなブヨに刺されてしまった時の皮膚症状と対処法、予防・治療法を解説していきます。
もし刺されてしまった時には必ず役立ちますので、ぜひ最後まで目を通していただければと思います。
Contents
ブヨに噛まれた時の皮膚の症状
ブヨは体長はそれほど大きくなく、メスだけが吸血します。
麻酔のような効果のある毒素を注入しながら、皮膚を嚙みちぎって吸血するので、刺された瞬間の痛みはほとんどありません。
刺された跡も最初は赤く小さい点があるだけですので、気づきにくいです。
しかし翌日になってから小さい赤い点は2~3倍に腫れ、同時に激しい痛みとひどいかゆみの症状があらわれるのです。ブヨは何匹も同時に血を吸ってくることが多く、気づいたら複数箇所が同時に腫れているということもあります。
ブヨが刺した時の麻酔のような効果のある毒素にはアレルゲンの原因となる成分が含まれています。
個人差はありますが、体質や刺された部位によっては、腫れが一か月以上ひかなかったり、リンパ管炎、リンパ節炎を併発したり、呼吸困難などの重篤な状態におちいることもあるのです。
たかが数ミリの小さい虫ですが、集団によって数十箇所にわたって噛まれた時には、命の危険も考えられるのです。
ブヨに噛まれた時の対処法
刺された直後に気づいたら!
ブヨが刺した時の毒素には、麻酔のような効果があり、痛みから刺されてすぐに気づくのは難しいのですが、蚊と違って刺すのではなく、噛みちぎるので少し出血します。
屋外活動が終わってから露出していた部分を注意して確認すれば、赤い出血点をみつけることができるかもしれません。
赤い出血点を見つけたら、すぐにブヨの毒素を出す必要があります。
爪あとがつくぐらい強く爪を立てて出血点から注入された毒素を絞り出します。そのあとは傷口からの化膿を防ぐために、消毒薬で消毒します。
傷口は非常に化膿しやすくなっていますので、絞り出しと消毒は必ずセットで行います。
これはブヨに噛まれた時だけでの処置法ではなく、スズメバチやムカデなど毒を持つ虫に刺された時にもするべき処置法です。
ちなみにポイズンリムーバーという毒素を吸い出す道具が市販されており、複数箇所刺された時に持っていると安心ですので、屋外活動を頻繁に行う方や渓流付近にキャンプに行く方は購入をお勧めします。
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消毒をした後、冷やすのは禁物です。
通常、冷やすとかゆみをやわらげることができるのですが、ブヨに刺されてすぐに冷やすのはやめましょう。
ブヨの毒素は、熱に弱いと考えられていますので、噛まれた直後は温め、かゆみが出てきたら患部を冷やしたほうがよいです。
噛まれてから時間が経ってしまってから温めるのは逆効果になってしまいます。
噛まれてすぐに気づかず、かゆみが起きてからブヨに噛まれたことに気づいた場合は、温めることはしないで冷やすようにしましょう。
かゆみが出てから気がついたら!
ブヨに噛まれた直後に気づかず、注入された毒素の絞り出しができなかった場合、翌日には激しいかゆみが起きます。
掻いてしまうと患部の毒素が広がり、さらに患部は腫れてしまうでしょう。治った後もシミとして残ることもありますので、掻くことは絶対ダメです。
絶対ダメ!なんですが、ブヨに噛まれると掻くのを我慢できるかゆみではないのです。
通常の虫さされに対するかゆみ止め軟膏では効果が期待できませんので、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏が有効です。
抗ヒスタミン剤をふくむステロイド軟膏を塗ったあとは、掻かないように患部をガーゼなどで覆ってしまい、冷やすとかゆみをやわらげることができますので、ガーゼや包帯の上から保冷剤をあてるようにしましょう。
ブヨに噛まれないための予防対策
ブヨは特に春から夏にかけての活動が活発で、夏場は温度の高い昼間は活動せず、温度の低い朝夕に活動します。
曇りや雨の時は時間に関係なく活動し、卵をきれいな水中に産み付けるので、川沿いや渓流での被害にあうことが多いです。
川遊びや渓流沿いのキャンプ場に行く時は、暑くても肌の露出を控えましょう。
長袖、長ズボンを着用し、ブヨは明るい色の衣類には比較的寄ってこないと言われていますので、衣服の色は黄色やオレンジを選びましょう。
露出している場所は虫よけスプレーが必須ですが、ブヨに効果があるものなのか確認したほうがよいです。
ハッカ油にはブヨ避けの効果がありますので、ハッカ油を使ったブヨよけスプレーを自作するのもよいでしょう。
病院は何科で受診する?
上記の対処法を試してみても腫れが治らない、または最初から病院で診察を受ける場合には、病院の皮膚科で受診しましょう。
専門医の方なら適切な対処と薬での治療を行ってくれます。
まとめ
ブヨに噛まれた時は、刺された直後と時間が経ってしまってからでは、処置法が違います。噛まれてしまったら、直後の処置が病状の軽減に一番有効です。
しかし、直後の処置ができず、市販の薬の効果がない時や腫れがひどくなった時は、重篤な状態につながる可能性もありますので、たかが虫刺されと思わずに皮膚科を受診しましょう。