気温や湿度が上がってくると、誰でも汗をかきやすくなります。顔や手など、普段外に出ている部分の汗はタオルやハンカチなどで拭けば取れますが、衣服の中はそうはいきません。特に、汗じみが目立ちやすい場所といえば脇や背中だと思います。
暑さを感じて上着を脱ぎたくても、背中の大量の汗で汗じみが気になって脱げない…などという経験はありませんか?
汗は誰もがかくもので自然な作用です。スポーツでかく汗は爽やかで心地よいものとして認識されていますが、日常の場、とりわけオフィスで衣服に汗じみがあると、途端に見苦しく、本人にとっても気になってしまうものです。
今回は、背中にかく汗の量が病気とも思えるほど多い、また特有の臭いに困っているという方のために、その原因と汗を抑える対策についてまとめてみました。
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その多い汗の量は病気の可能性も…
気温も高くなく、そう暑さを感じているわけでもないのになぜか大量に汗が出る…そんな場合は、なんらかの疾病が隠れているかもしれません。
甲状腺機能亢進症
代謝が異常に上がり、脈が速くなったり大量の汗をかいたりする症状や、疲れやすい、イライラして怒りっぽくなるなどの精神的な影響が表れる場合もあります。喉の中心の膨らんだ場所にある甲状腺から分泌されるホルモンが増えることで起こります。見た目もこの部分が腫れることが多いのが特徴の病気です。
別名バセドー病と呼ばれており、若い女性に発症者が多いです。
更年期障害
40代後半ごろの閉経前後の女性に表れることが多い症状です。急激に女性ホルモンが減少することで、身体や精神に様々な変容が起こります。
具体的には、イライラしやすい、うつ状態に陥る、手足は冷たいのに顔が火照る、急に大量の汗をかく(ホットフラッシュ)などの症状があげられます。
糖尿病、自律神経失調症など
もしもこれらの病気に罹患しているのであれば、汗を異常にかくことのほかにも様々な症状が表れているはずです。体調に異変を感じたら早々に受診しましょう。
背中の汗の臭いが気になる時
普段から体を動かすことを心掛け気持ちのよい汗を流している方、年齢がお若い方などは、背中に大量の汗をかいてもあまり臭わないようです。一方、運動不足や精神的ストレスを日々感じている方、40代以上の方は、背中にかいた汗が臭うことも多いとか。
汗が臭う原因は、背中にある「エクリン汗腺」と「皮脂腺」という二つの腺から出ている分泌物によるものです。
エクリン汗腺からはその名のとおり汗が出ます。そして皮脂腺からは皮脂が分泌されます。背中が脂っぽい、ニキビができやすいという方は、背中の皮脂腺が活発に皮脂を分泌しているということです。
皮脂腺から分泌された皮脂は、皮膚常在菌が分解することにより臭いを発生しやすいのですが、40才を過ぎるとこの皮脂が酸化した「ノネナール」というそれまでにはない臭い成分が出てくるようになります。これがいわゆる「加齢臭」の原因になります。
背中の汗が臭うかどうかは、運動の習慣の有無や年代、背中の汗腺や皮脂腺からの分泌物の量でも違ってきます。
でも、ご自身の背中の汗が臭っているかどうかは、正直言って判りにくいと思います。「もしかして臭ってる?」と気になるようであれば、臭いの予防ケアをしておけば安心ですね。
簡単実践!背中の汗の量や臭い対策
背中の汗が気になる、もしかして臭いまでしているかも…と不安を感じるより、簡単にできる対策を講じましょう。
下着を着用する
暑いから衣服を何枚も着たくない。気持ちはわかりますが素肌に直接Yシャツを着るのは汗じみができる原因になります。汗を吸い込む下着をきちんと着て、汗を速く蒸発させる方が実は涼しく過ごせるのです。
下着のシャツもYシャツも抗菌・防臭効果があるものを選ぶとよいでしょう。
衣服の色や素材に注意しよう
汗じみが目立ちやすい色は薄いグレーや水色です。汗などの水分がついた部分の色味が濃く見え、一見して汗とわかってしまいます。一方、白は水分を含んでも変化が少ない色です。よほどの大量の汗でない限り、見た目ではわからない場合が多いでしょう。
簡単な対策ですが、汗じみが目立たない色の衣服を身に付けることで周囲の視線を気にすることなく、精神的ストレスも減らせるのではないでしょうか。
あらかじめ着替えを準備しておこう
これも簡単な対策です。いざとなれば着替えられることはもちろん、「着替えがある」と思うだけでも気持ちが落ち着き、精神的発汗が抑えられます。人間暑くて汗が出るのは当たり前ですが、ストレスや緊張でもかなり発汗するものですからね。
衣類用消臭スプレーを常備しておく
臭っていると感じたら、すぐに使用できる消臭スプレーがあると安心です。香り付きのものも市販されていますが、きちんと強力に消臭できるタイプのものがおすすめです。
背中にタオルを入れておく
プレゼンで緊張して大量の汗をかく、暑いけどスーツを着なければいけない…あらかじめ汗をかくことがわかっている場合は、背中にタオルを入れておくと効果的です。
薄めのフェイスタオルの真ん中を丸くくりぬき、そこに頭を入れ、その上から衣服を着ます。タオルが汗を吸収したら取りましょう。
まとめ
暑い時期、汗はかいて当たり前です。でも汗の量や臭いには個人差があり、人を不快にさせるほどの大量の汗やきつい臭いはやはり困りものです。
ご自身が快適に過ごすためにも、また周囲の人のためにも、効果的な汗対策を実践してみてくださいね。