「子供が学校へ行かなくなった!」「急に反抗的になった」小学生くらいになると、ただの反抗期だと勘違いして大変な目に合うのが、若年性うつ病(別名:新型うつ病)です。
まさか子供がうつ病になるなんて!と思われるかもしれませんが、大人と同じように子どもの世界もストレスがいっぱいあります。勉強、スポーツ、遊びの中に起こりえるいじめや差別など原因は様々です。
子供の助けて欲しいサインの見逃し、また子供のうつ病はなかなか人に話したり相談したりしにくいものですが、重症化してからでは回復するのにとても時間がかかります。今回は新型うつ病のひとつである若年性うつ病についてまとめました。
Contents
若年性うつ病とは
若年性うつ病は、新型うつ病の種類の中のひとつで、比較的年齢層が低い人(小学生~中学生)がなりやすく、比較的女性が発症する病気です。
顕著な行動パターンは、不登校・他者に対して攻撃的になる・気分のムラが激しいといったものです。従来のうつ病は「自分のせい」にするのに対し、この若年性うつ病(新型うつ病)は「自分のせいじゃない」「他人が悪い」と相反する訴えをし、また精神状態の波がとても激しいのも特徴です。
そのため、不登校に対して罪悪感を感じていません。「学校が悪い」「先生が悪い」など他人に対し攻撃的になったかと思えば、気分がいいと「明日は学校へ行く」「頑張る」等とハイテンションになります。
その為、「怠け者」「わがまま」などと誤解されることが多いです。
参考:新型うつ病(非定型)の原因と症状!なりやすい性格や特徴と対処法
若年性うつ病になる原因は何?
性格的要因・環境的要因ではないかと言われていますが、まだ確立されていないのが現状です。
成長の過程で「人に頼りたい」という願望と「自立しなくてはいけない」という責任が葛藤して形になって現れてしまうのが、一過性の神経様症状・反抗・不良傾向すなわち『若年性うつ病』となるのです。
また、引っ越し・転校・受験、いじめなども引き金になる場合があります。
若年性うつ病の特徴的な症状
若年性うつ病の特徴的な症状です。
① 登校拒否
朝になると頭痛・腹痛などを訴えて登校しないなど、「学校が悪い」「周囲が嫌だ」など他人や置かれた環境のせいにする、または学校での責任のある事・面倒な事をし無い傾向にあります。学校は規則正しい生活を強要される「不快な場所」好きな事が出来る家は「快適な場所」となるのです。
② 気分の波が激しい
気に入らない時は口も利かないほど不調ですが、好きな事をしたり気分がいい時はテンションが高くなります。
③ 過眠傾向
朝起きられずに一日中ダラダラと寝ています。夜中の不眠を訴える事もあり昼夜逆転傾向です。
④ 怠惰
宿題・勉強をしなくなったり、テストの点が著しく悪くなるなど怠けているように見えます。
⑤ 攻撃的
怒鳴り散らしたり、ピリピリ・イライラしています。「他人のせい」という考えが根本にあるので攻撃的になるのです。
⑥ 病気の公言
「うつ病だ」と平気で周囲に話し、自分がこうなったのは「人のせい」「周囲のせい」となるわけです。
また、従来のうつ病と共通する、気力の低下、憂うつ感、対人関係を面倒がる、集中力の低下、などといった症状も見られます。
若年性うつ病(新型うつ病)の予防と対処法
予防対処方法は規則正しい生活をさせることです。家のお手伝い・部屋の整理整頓・適度の運動など規則正しい生活を、無理がない程度にさせるようにしましょう。
規則正し生活は体内時計を整えます。部屋の整理や適度な運動は、肉体的にも疲労し精神的にも清々しくなりバランスが取れてきます。これにより不眠も自然に解消されるでしょうが、それでも眠れない様子だったら部屋を暗くして横になっているだけでもいいのです。
若年性うつ病の効果的な治療法とは?
子供のカウンセリング
カウンセリングが有効な治療法になります。
対人療法・認知療法などと言う方法がとられます。言葉に出して葛藤を表面に出して取り除き、時にはさとすこともあります。自己が確立されていないので、非常に浸透しやすく効果的な方法です。
大人(両親)のカウンセリング
子供はなかなか親には弱みを見せず、両親も対応に悩むものです。もしお子さんが若年性うつ病と疑われるようなら、まずは「両親がカウンセリングを受ける」というのも大事ですよ。
まとめ
不登校が特徴的な「若年性うつ病」ですが、よく見極める事も大切です。もしかしたら酷いいじめに遭っている可能性もあるので注意が必要です。
子供の状態を見極める為には、やはり普段からお子さんとコミニュケーションを取りながら観察し、身体の状態も見てあげる事が大事です。それから、お友達からの情報も大切ですよ。