人間は夜寝ている間にコップ1杯分の汗をかく、などとよく言われますよね。でも、寝ている間のことなので当然汗をかいているという意識はなく、朝起きた時にはそこまで汗をかいたような感覚は持てないのが普通だと思います。
真夏でもないのに頭や首周りに大量の寝汗をかいているという場合は、やはり何がしかの原因が潜んでいると思われます。パジャマがびしょびしょで気持ち悪い、シーツが汚れて困るなどという以上に、身体が何らかの異常を訴えているのかもしれません。
今回は、たくさん寝汗が出るいくつかの原因についてお伝えしていきます。体質のせいだと考えるにはあまりにも大量の寝汗が出ることにお悩みの方には、改善のヒントになるかもしれません。
Contents
大量の寝汗は何故出るの?原因は?
まずは寝汗の量が多くなる原因を探っていきます。ご自身に当てはまる原因を見つけてみてください。
ストレス、自律神経失調症
身体と心の健康を保つために意識外で働いている私達の自律神経。しかし、日常生活で過多にストレスを感じることでその働きに支障を来す場合があります。
自律神経のうち主に日中を司るのが交感神経です。一方睡眠時に作用するのが副交感神経なのですが、ストレスによってこのバランスが乱れてしまうことがあります。すると、非活動時であるはずの睡眠時に交感神経が異常に働いてしまい、体温調節がうまくいかず寝汗が大量に出るという事態になってしまうのです。
この症状はストレスを慢性的に感じることによって発症する自律神経失調症の症状の一つに数えられます。環境を変える、専門医を受診するなど、早急な対策が必要です。
過剰なアルコール摂取
お酒をたくさん飲んだ日は寝汗が大量に出るという経験をしたことがある人は少なくありません。アルコールと発汗には密接な関係があります。
アルコールは体内で「アセトアルデヒド」という身体にとって有害な物質を作り出します。この物質が体内で分解しきれず翌日まで残存した時、頭痛や二日酔いなどを引き起こすと言われています。
それでも身体は頑張ってアセトアルデヒドを分解、体外へ排出しようとします。この作用が寝ている時の発汗に繋がるというわけです。
寝酒が習慣になっている人は、普段から寝汗が多いようです。寝つきは良くなるかもしれませんが、あまり質の良い睡眠がとれているとは言えません。注意しましょう。
生理によるもの
女性の中には月経前症候群(PMS)に悩まされている人も多いのではないでしょうか。生理前に大量の寝汗が出るという女性の場合、それはPMSの一症状であるかもしれません。
PMSは体内の女性ホルモンの増減によって起こる現象で、寝汗の他にも頭痛や腹痛、イライラや気分の落ち込みなど様々な症状が表れますが、月経が始まるとホルモンバランスが安定し徐々に症状は改善されていきます。
更年期障害の一環
女性は40代後半の閉経前後の時期になると女性ホルモンである「エストロゲン」が急激に失われます。こうしたホルモンバランスの乱れにより、イライラやうつ、集中力低下、ホットフラッシュ、情緒不安定など身体や心に様々な影響を及ぼすのです。
この一環として寝汗が増えるという症状が表れる場合もあります。
その他の病気の可能性も
これといった原因が思い当らないのに、毎日大量の寝汗をかく…そんな時は上記以外の疾病が隠れている可能性も考えられます。
例えば、結核やバセドー病、白血病など、寝汗が手掛かりとなって病気が発見できる場合もあります。専門医に相談することをおすすめします。
ひどい寝汗を何とかしたい!その対策法
寝汗の量を減らし、快適な睡眠を取り戻したい方のために、以下にいくつかの方法をご紹介します。ご自身の症状に合わせ、実践しやすいものから試してみてください。
寝室の環境や衣服を整える
寝苦しい環境は余計に寝汗の原因になります。例えば、夏場の寝室の室温。暑くて寝られないからとエアコンを低温でつけっぱなしにしていませんか。これでは逆に睡眠時の体温調節がうまくできなくなり、自律神経の乱れに繋がることもあります。
また、寝る時の衣服にも注意しましょう。夏は冷やし過ぎず、冬は着込み過ぎず、寝具も季節に合ったものを選ぶようにしましょう。
ストレスを和らげる工夫を
日々ストレスを感じないで過ごすことは不可能です。でも、就寝前の過ごし方で気持ちを落ち着かせ、ストレスを和らげることはできるはずです。
いちばん効果的なのはお風呂にゆっくりつかることです。シャワーで済ませるのではなく、ぬるめのお湯につかり、心と身体をリラックスさせましょう。湯船につかることで寝つきが良くなり、質の高い睡眠も得られます。もちろん寝汗も改善されるでしょう。
日々の生活にウォーキングなどの簡単な運動を取り入れるのもおすすめです。心地よい疲労感はストレス発散と血行促進に効果があります。夕食後一時間ほど経ってから行うとよいでしょう。
生活リズムの見直しを
毎日寝る時間が遅かったり、夕食を寝る直前に食べていたりすると、質のいい睡眠は得られません。また、遅い時間にテレビやパソコン、スマートフォンなどの視覚的刺激を長く受けているとうまく入眠できないと言われています。
寝汗解消には、生活習慣を見直し、体内時計を整えることも効果的といえます。
まとめ
寝汗の原因と対処法についてお伝えしてきました。PMSや更年期障害による寝汗は症状を和らげるために薬の力を借りるのも一つの方法です。ストレスが原因ならば入浴や運動で自律神経を整えたり、上手な発散方法を見つけたりして工夫しましょう。
しかし一向に収まらない異常な寝汗は、何らかの病気が原因かもしれません。放っておかず早急に受診することをおすすめします。