自立神経とは、自分で意識しなくとも自動的に体の各神経器官が判断して動かすことを言います。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この自律神経が何らかの原因で作用しなくなると自立神経失調症になります。
自立神経失調症になる原因は様々ですが、現代ではストレスによる要因が大きいとされています。仕事のプレッシャーや人間関係、学校が原因とされる不登校、育児疲れなど、このストレスからなる病気は本当に数多くあります。
今回はストレスが原因で自立神経失調症になる種類や症状、治療法を解説していきます。
自立神経失調症になる原因
自立神経失調症の原因は、ストレスです。
様々な要因が重なり合い、本人がそのストレスに耐えきれなくなったときに、自立神経である交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、発症します。
ストレスの2つの種類と他の要因
ストレスには大きく分けて2種類あります。
・肉体的ストレス
肉体的ストレスには、仕事や普段の生活からの体力的な過労、季節の変わり目の気温差、病気や怪我などが挙げられます。
・精神的ストレス
心理的ストレスには、 仕事上のトラブル、人事異動、孤独、大失恋、仲たがいや喧嘩、不和などの人間関係があります。また、勉強や受験による不登校、結婚、転居、就職による環境の変化も原因と言えます。
・真面目な性格も影響あり
他にも、性格や考え方が影響します。周りの評価が気になる、完璧主義、神経質、マイナス思考、責任感が強い、几帳面でまじめ、落ち込みやすい、考えすぎるなど、誰しもがひとつは持ち合わせているものも原因に挙げられます。
・不規則な生活習慣
また不規則な生活習慣も原因の一つです。昼夜逆転の生活や睡眠時間が極端に少ないと自立神経が乱れる原因となります。
自立神経失調症になった時の症状
自律神経失調症の症状には数えきれないほどあります。なぜなら自立神経は全身に分布している為です。また一つの症状に留まらず、いくつもの症状を同時に発症することもあるので、発病当事者にとって負担が大きいのが特徴です。
たとえば「いつも胃が痛く吐き気がする」さらに「耳が詰まった感じがするな」と思ったと同時に「息苦しくなる」など、いくつもの症状が重なるのです。では、各器官の主な症状を紹介します。
・喉
圧迫感・異物感等
・口
味覚障害を発症し、味がわからなくなる・口が渇く・唾液が多い
・眼の症状
瞼の痙攣・涙目・ドライアイ・めまい
・耳の症状
耳鳴り・耳が詰まった感覚・自分の声が響く・耳の奥が痛い
・循環器
動悸・息苦しさ・汗をかきやすい・冷える・寒気・ほてり・血圧の異常・胸の痛み
・消化器
腹痛・胃の痛み・便秘と下痢を繰り返す・食欲不振・過食・拒食・吐き気・便秘のみ・下痢のみ・ガスが溜まることによる腹部の張り
・泌尿器
頻尿・残尿感
・全身
疲れやすい・倦怠感・疲労感・不眠など
自立神経失調症の薬、治療法
薬物療法は症状にあった薬を処方されます。薬を飲むのは抵抗があるかもしれませんが、まずは症状を軽くし、体の調子を整え悪循環をリセットすることが回復への近道です。また薬には副作用があるものもありますので、不安であれば医師にしっかり相談しましょう。
薬の種類には主に「抗不安薬」や「自律神経末梢作用薬」が用いられます。それぞれに多くの種類があり、医師は患者にあった薬を組み合わせ、量を調節して処方します。その他にも原因や症状によってビタミン剤やホルモン剤があります。
自立神経失調症は病院の何科で受診する?
自律神経失調症を疑ったときは、心療内科もしくは精神科へ行きます。しかしその前に、症状にあった診療科や行きつけの内科へ行くのがよいでしょう。なぜなら、本当に自律神経失調症どうか、自分では判断しにくいものがあります。
たとえば、胃が痛いとします。それは胃の疾患かもしれません。まずは消化器科を受診します。もし特定の病気がなければ、診察した医師と相談し、自立神経失調症を疑います。
まとめ
自立神経失調症になると、仕事や学校、家庭環境にも多大な影響を与えてしまいます。しかし、この悪い影響を与えてしまっている考えそのものが、さらに悪循環をもたらしてしまうこともあります。
もし発病してしまった際には決して無理をしないこと!そして病院から診断書をもらい、仕事や学校を一定期間休み、こころと体を休め、通院しながら治療を受けていきましょう。