近年増加傾向にある「手足口病」とは、流行のピークが7月末とされている、幼い保育園児が感染しやすい病気です。しかし、時には大人にも感染して重篤な合併症を引き起こすこともあります。
また感染力が強い為、経過観察や予防対策が重要となります。特に妊娠中の妊婦さんは特に注意です。このことから「手足口病」の原因・症状・対処方法などをしっかりと把握しておく事は、夏になる前の時期には非常に大切な事です。
そんな「手足口病」の原因や症状、対処法や治療法を詳しくまとめてみました。ご参考にして頂きたいと思います。
Contents
手足口病とは?
手足口病とは、ウイルスが原因の感染力の強い病気です。
発熱が先行し、口腔内、手、足に発疹が出現し1週間から10日で自然治癒するケースがほとんどですが、髄膜炎・脳炎など死に至る事もある合併症を起こすこともあります。
5歳以下の子供の感染率が90%近いですが、体力・免疫力の落ちている大人に、稀に罹患する事があります。この事から感染したお子さんのご家族に「手足口病」が拡大していくのも不思議ではない訳です。
手足口病の原因
前述しましたが、手足口病はウイルス感染が主となる感染病です。
ウイルス感染
ウイルスとは、光学顕微鏡でも見えない、最も簡単な構造の微生物です。
細菌などよりもっともっと小さい物をイメージして下さい。特定の生きた細胞の中だけで増殖します。コクサッキ―ウイルス・エンテロウイルス(※)などと言った難しい名前のウイルスが侵入して来ます。
※髄膜炎の原因ともなるウイルスです。
感染経路
手足口病は接触・飛沫感染です。
感染者の分泌物・排泄物などを触った事による接触感染、飛沫感染とは咳やくしゃみなどによって小さな飛沫(細かく飛び散る水、しぶき)が飛び散り、空気と共に吸収され簡単に体内に侵入する事です。
経口(口から口)・経皮(皮膚)など他にも感染経路は色々ある中で、日常気を付けていてもなを防ぎきれないこの2つの感染経路が感染の拡大につながるのです。
手足口病の初期症状 小児と成人の違い
小児と成人とでは少し症状が異なるため分けてみました。
子供の症状と潜伏期間
発熱が先行して、それから発疹が出現してきます。
・潜伏期間は3~5日
・熱は37~38度位で3~4日続く
・口腔内・咽頭に小さな紅斑がみられる
・黄白色の小さな水泡から浅い潰瘍ができます。
1~6日で消失しますが、まれに、下あごのリンパ節が軽く腫れたりします。また、手足の指の腹側、足の側面に丘疹から後に水泡となり赤色斑になっていきます。
臀部、太ももにも一過性の丘疹をみる事もあります。1~7日で消失します。通常、発熱―口腔内など粘膜疹―手足などの皮疹 といった順が多いのですが、粘膜疹と皮疹の順番が変わる時もあります。
大人の症状と潜伏期間
手足口病が大人に感染すると重症化する場合が多いです。
子供と異なるのは、小児に比べ皮膚が厚くなっているので酷い痛みを伴う場合があり、また、頭痛、倦怠感、筋肉・関節痛などが出る時もあります。潜伏期間は、3~7日、これも少し異なります。出産間近の妊婦の女性は、新生児に感染する事もあるので要注意です。
治療・対処法
受診し医師によく相談をしながら、対症方法により自然治癒を待つ事がほとんどです。
安静と、また脱水症状を引き起こさないように、水分補給を小まめにする事、口腔内に発疹があるわけですから、食事を摂ることにも苦痛がある為なるべく柔らかく、粘膜疹に刺激を与えない物で栄養補給を心掛けて下さい。
予防と対策
・手洗い・うがい
石鹸を使用し小まめに手を洗い、うがいも大切です。
・タオル
ペーパタオルか個人専用のタオルを使用しましょう。
・マスク
飛沫感染ですから、乳幼児には難しかもしれませんが、保育士さん、感染したお子さんのご両親は着用を心掛けましょう。
・手袋
オムツ交換や汚物処理の時などは、1技1手袋です。
保育所など多数の子供さんがいる所などは、一人一人のオムツ交換などで手袋の交換は義務付けられています。家庭でもディスポ(使い捨て)手袋は市販されていますので、ぜひ利用しましょう。
・体力・免疫力のUP
疲れを残さず規則正しい生活をして体力を温存しておく事は何より大切なことですね。
まとめ
「手足口病」は、感染力の強い病気です。まずは、感染しない事が1番ですが、感染しても安静と経過観察を怠らず、そして予防・対策をしっかり施行して感染拡大を抑えましょう。
そんな時、この一文を思い出して頂ければ、少しでもお役に立つのではないかと考えております。